映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の動画を視聴しました。

2015年製作のイギリス映画で、上映時間は約102分。

総合評価:★★★★☆~★★★★★(4.1)

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監督:ギャヴィン・フッド
出演:ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ、ジェレミー・ノーサム、フィービー・フォックス、イアン・グレンら


映画タイトルとキャッチ画像から、ドローン攻撃などを批判するような内容かと思ったけれど、まったく違いました。

ジャンルとしては、軍事サスペンス。

しかし、怖いというのではなく、大人目線で見ていていける内容になっています。
(とはいえ、「どうなる?これはどうする!?」とドキドキして見ていけるように作られていますよ)


思考実験というか、政治的・軍事的シミュレーション要素も大変興味深かったです。

思考実験としたら、マイケル・サンデル先生のハーバード白熱教室のようでもありましたし、政治的・軍事的シミュレーションとしたら、シン・ゴジラのようでもありました。

シンゴジラよりもっとリアリスティックでしたし、作品としてはシンゴジラのほうが後になるけれど。


実際にはどうなのはわからないですが、アメリカ人政治家たちの合理主義的マインドと、イギリス人たちの、1つの命の重さや、行動の結果与える影響を考えて葛藤する様子の違いも面白かったです。

日本人だと、きっと多くの人がこの映画で描かれるイギリス人政治家たちのような考え方をするのではないだろうか。

それがいいのか悪いのかは、はっきりとは言えない気がします。

「将来起こり得ることの評価が正しくできない」ということになるのかも知れないですし。

つまり、先延ばしマインド。様子見マインド。

末端はそれでもいいとして、決断をしなければいけないリーダー層は本来それ(大事な場面で静観主義に陥る)ではいけないのでしょうね。

まぁ、静観主義と、頭の中でぐるぐると考えを巡らしながら、オプション(別の選択肢)を必死で探るのは別物なのだろうけれど。

しかし、オプションを探っているうちに結果的に甚大な被害を生み出してしまった場合、その行動はどう評価されるべきなのでしょう。

「最善を尽くそうとしていたが、結果として悪い方向にいってしまった」という言い分を認めるのかどうか・・・

何かが起こってから、過去を振り返って評価するのは比較的簡単。リーダーは、それがまだ起きていない段階で決断し、実行命令を下していかなければいけない。そこに難しさがあるってことなのでしょう、きっと。

つまり、結果に対しての責任を負う、と。

そういう難しいことをやっているのですから、本来リーダーは賞賛されていいポジションなのだと思います。

でも、いまの日本の風潮を見ると、なんだかそんな感じでもないような。

(´・_・)カワイソウ


ともかく、この作品は面白いと思いますので、まだご覧になっていない方は見てみるといいのではないでしょうか。


アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [ ヘレン・ミレン ]